冬の寒さを感じる季節になりました。寒さが厳しくなりますので、子どもの健康管理に留意してください。全国的にインフルエンザA型の流行が拡大してきました。A香港型変異株(サブグレードK)で免疫を回避し感染しやすい特徴があります。子どもではイギリスのデータでワクチン接種により病院受診や入院を72~75%減らす効果が示されています。今からでもインフルエンザワクチンを接種されるとよいでしょう。感染性胃腸炎(サポウイルス)も流行中です。嘔吐、下痢、発熱があれば早めに受診をお願いします。

今月は
『A香港型変異株の特徴
について
のお話をします。

 サブグレードK株はウイルスの表面にある「トゲ」の変化にあります。インフルエンザウイルスの表面には「ヘマグルチニン(HA)」というタンパク質があるのですが、サブグレードKはこの部分に多くの変異(アミノ酸の置き換わり)で表面に糖の鎖のようなものができています。免疫を回避する能力が上がり、感染しやすくなっています。若い成人(18~24歳)や中学・高校生の患者が多い傾向があります。症状は高熱、咳、咽頭痛が多く、倦怠感や関節痛が少ない傾向です。重症化防止のため、早めの受診をお願いします。
 



   2025年12月1日 更新